■ 個人ユーザーによるDVDのバックアップ ■


 低価格パソコンにもDVDドライブが当たり前のように搭載され
「パソコンでコピー可能」と言う知識は一般に広がっている。

このページで紹介している記事は「犯罪幇助」に当たる部分も少なくない。
いわば犯罪者に武器の使い方を教えているようなものである。

最近はメーカーの努力もあり低価格でDVDソフトが購入できる。
違法コピーの普及はそう言うメーカーの努力を無駄にするだけでなく
映画産業そのものの衰退を進める結果となる。

当ページではあくまで個人的バックアップとDVD→CD−Rへと言った
知的探求に基づき行われるものと仮定とします。

以下の紹介記事をご覧になり、犯罪に加担しないように切に願う。

2002.5.13 管理人 Head

 ユーザーサイドのバックアップの意識レベル

 バックアップ作成の意識基準はユーザーによって様々。ココでは3パターンのユーザーに分類する。
 プロテクトを外す自体違法なのだが、ユーザーの意識レベルにより犯罪のレベルも変わって来る。
 現実問題としてお金を出して買った自分の商品のバックアップすら認めないのは納得しかねる。

バックアップ目的
知的探求
タダ&安価で映画が見たい
・メディアの傷や音飛びなどから守りたい。コレクションしているので汚れなどから守りたい。
・DVDサイズの作品を如何に高画質&高品質でCD−Rなどのメディアにバックアップ出来るのかに興味がある。 ・新作が発売前(下手すれば公開前)に手に入る。
・お金が要らない(もしくは安価)
ユーザーの意識&傾向
自分で金を払って買ったのにバックアップすら出来ないのはおかしい。

複数台所有のパソコンでDVDドライブの無いマシン(ノートパソコン等)で楽しみたい。
DVDドライブの無い友人に貸したい。

プロテクト解除したり加工する事が面白い

特に映画を見たいと言う気持ちでもない。
他人に自分のエンコード作品を見せたい

タダで見られるのが(・∀・)イイ!!

お前のモノは俺のモノ俺のモノも俺のモノ。ジャイアニズム全開。
共有ゼロは晒せ!!

WINーMXで【映画】で検索した結果。
最近違法ソフトで逮捕があったにもかかわらず検索で1000タイトルを超えた。
取引される作品の中には日本でまだ発売されていないタイトルや映画館未公開作品もあった。

ファイルサイズも1G〜300Mが中心でユーザーの間でさかんに交換が行われている。幾らきれい事を言ってもメーカーに被害を与えていることは事実である。
(彼らのすべてがコピー品が無かったら製品を買うかと言うのは別問題として)

 Decssの登場と裁判


Decss

DeCSSはCSSを解除し容易にHDDに保存できる。吸い出したファイルはPCのDVDプレイヤ、ソフトDVDプレイヤなどで問題なく再生できる。
日本では2000年より著作権に関する法律が改正されプロテクトをはずす事自体が違法となった。メーカー側に訴えられれば刑事罰も適用される。
米映画協会MPAAもDeCSSを公開しているサイトに警告をはじめたようだ。これによりDeCSSの公開をやめるサイトが増えている。

現実問題としてメーカーは個人バックアップも認めていない。これが音楽CDと違うところである。

関連記事 DVD違法コピー問題が法廷へ

 映像のバックアップとDVD

最近の傾向としてCD−R焼きソフトの中でDVDメディアのコピーを目的とした機能を兼ね備えたソフトが
多数登場している。またプロテクトのかかっていない作品も極わずかではあるが発売されている。
DVD作品のほとんどが片面2層と言う方式で作成されており、片面4.7GのDVD−Rメディアなどでは
コピー不可能となっている。
またHDに全データを移し変えてもチャプターや付加コンテンツの再生は現段階では利用出来ないものが多い。
近い将来片面2層を破るソフトも登場するだろうが、
現段階ではDVDそのものをバックアップするメディアはHDのみで、ファイル容量も4G〜8Gと現実的ではない。

またWIN−MXなどのファイル交換ソフトを見てもDVDイメージでの交換はそれほど行われていないようだ。
Bフレッツなどの光ケーブルサービスが安価になりギガ単位のファイル交換も不可能では無いが、
メディアや労力を考えても不正ユーザーの選択肢には入っていないようである。

 映像の二次加工&CDサイズへの圧縮

そこで問題視されるのがMPEG4などのコーディックを用いた映像圧縮技術で、
個人観もあるがCDサイズでも観賞に耐えうるほどの画質をキープ出来る。

問題として作成にはそれなりの知識レベルとかなりの時間(実作品の2〜30倍)がかかる為、
一部の人間が作成したものがファイル検索ソフトに流れているケースが多いようだ。
一度流れたデータは交換と言う形でユーザーの間で蔓延していく。

CDに見る前例 メーカーサイドの対策と努力不足

CD-Rメディアへのバックアップが可能とわかりCDレンタルの利用者が加速し、セルCDの売り上げにも少なからず影響があるだろうが、音楽業界がCDやDVDレンタルの納入を止める気配が無い。

国内には膨大な店舗数のレンタルショップがあるが一店舗1枚ずつ仕入れたとしてもかなりの売り上げになる。それらが既成事実を考えるとメーカーがそこから撤退するとは考えにくい。

しかし年々減少するミリオンセラーやCDの売り上げは単に不況やアーティスト不振だけとは考えにくい。そこには5M程度に収まるMP3の普及があるのは明らかである。

最近、タイムワーナー社が1500円と言うプライスでDVD販売を始めた。これならコピーする手間や材料費を考えても安い。5000円だから買わないけど2000円なら.......という潜在ユーザーの開拓になるばかりではなく不正コピー防止にも一役買う選択である。

それに比べCDは相変わらず値下する気配が無い。マキシシングルなどは値下げ傾向はあるがアルバムは相変わらず2000円を超え、DVDより高い。
売れるからこの値段で、と考えているからユーザーとのギャップが起り、レンタル&不正コピーに走るユーザーも出てくるのである。
ジャケット付で手に入れたいユーザーは多いし、タダで聴ければなんだってかまわないと言うユーザーもいる。不正ユーザーはタダなら良いが50円すら払わない!と考えている場合が多く、Webでのダウンロード販売がそれほど成功していないのを見れば明らかである。
買うよりはやすいかもしれないが、製品がとして手に出来ないデジタルデータに課金するのに抵抗のあるユーザーは多い。

高いから買いたくないが安いなら買う。

そう言う潜在ユーザーを開拓することが生き残りへの道であると思う。

中古問題
中古で安く買うから新品が売れない。
もちろん正論であるが、中古屋で売って新品を購入する足しに使っているユーザーも多い。残念ながらゲームソフトは中古販売に否定的であるが、実際問題として小中学生が7000円もするゲームソフトを年間に何本購入出来るのか?


 ユーザーとメーカーの歩み寄り

結局のところこれに尽きると思う。幾ら方法論を排除していってもアングラサイトで存在し消えることは無い。
WIN−MXのように今まで偽装や結合を知らなかったライトユーザーが簡単に不正コピー品を入手出来るようになってしまっているので、ある程度の規制は効果的に行うべきではある。

しかし高すぎる映画館の料金&DVDソフトの値段などメーカー側の努力不足をユーザーに被せるのは納得いかない。問い詰めれば○○億円も主演者のギャラに消えていくのは娯楽産業として正しいのか疑問である。大半が離婚の慰謝料で消えていくし(=_=)才能あるスターが富を得るのは当然であるが、それを支えるのはファン達であるとの意識が薄い人間が多いように感じる。個人的にはチャリティーなどに積極的に参加するアーティストのCDは買うが高級外車を乗り回し金持ち自慢するようなアーティストの売りあげには加担したくない。
売れるからその価格で売るのは商売の鉄則であるが、この不況でそれが売れなくなってきたのは事実であり、タイムワーナー社のように低価格帯での勝負を挑んできたメーカーにはユーザーは応えなければいけないと思う。未だにレンタル禁止!で5000円の価格帯で販売しているメーカーは淘汰されていくべきである。

不正取得は別としてユーザーは買った方が安いのかコピーしたほうが安くつくのかを基準にしてくる。
現在のブランクDVDメディアはまだまだ高いし、片面2層のバックアップは不可能である。しかし近い将来完璧にコピー可能なソフトが登場しメディアも安価になればユーザーはレンタルー>コピーの方に流れていくのは必至。低いビットレートで再オーサリングすればDVD−Rメディア一枚に書き込むことも可能になってくる。
その場合は当ページのコンテンツを見ればわかるが、多少の知識と膨大な時間がかかってくる。

そんなに面倒くさいなら買った方がマシ

そう考えるユーザーに適正価格で販売することこそ不正コピーの蔓延を防ぐ有効な手段であると思う。

 著作権の鎖

 たとえば20年前に放送されていたTV番組をもう一度見たいと思っても再放送などされることは無い。そう言うTV番組をコピーして配布しても著作権に違反します。納得できますか?
再販の可能性が極めて低く、どこに行っても手に入らないビデオなどもユーザーが入手する方法はありません。メーカー側がオンデマンドでユーザーのリクエストに応える方法が無い現状でそのような映像がWIN−MX上で手に入るとしたら、あなたはどうしますか?数年前に日本テレビが在庫処理のために力道山時代のプロレス試合のテープを大量処分したそうですが、私はこういう作品はメーカーの著作物以前に国民の共有財産であると思います。お金を出して購入したゴッホの絵画を自分が買ったからと言って棺桶に入れてくれと言うようなものです。(事実言った日本人オーナーがいた)

光ケーブルが普及し、見過ごした番組などが低価格でWeb上で配布されるようになれば理想なのですが、サーバー問題等が絡んでネット配信はなかなか難しいと思いますし、CS&BS多チャンネル時代では過去のソフトが強力なコンテンツになるので制作側としてもそこから二次利益を得たいと言うのは本音だと思います。

 パソコンでTVゲームやアーケードゲームが遊べるエミュレータも本体は公に配布されROMイメージはアングラで取引されています。パソコン雑誌では○○種類のゲームが無料で遊べる!!と紹介し「Romは違法です」と書かれているだけ.........正規ルートで手に入れることは不可能となっています。今エミュレータで「けっきょく南極大冒険」を遊んでコナミに悪影響がありますか?
「エミュでタダで遊ぶから新作が売れない」と言うマイナス面ばかり重視し遊びたいユーザーを無視しているのは納得できません。
私はメーカーがWeb上でRomイメージの無料配布&低価格販売を望んでいますが、一部メーカーを除いてはオールドゲームの配布に積極的ではありません。中古販売も認めてないのならどうやって入手すればよいのか?

 HP上でのMIDIデータにすら著作権を被せて来ているメーカーでありますが、MIDIデータによりCDの売り上げや著作権違反になることがあるのかが不明です。個人的に作成した着メロでさえ自由に配布を許さないメーカーに憤りを感じます。
ユーザーのモラルを問う前にメーカーサイドがやらなくてはならない事がたくさんあるのではないでしょうか?

ご意見・感想があれば head@try-scope.com までお寄せください。

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