貧乏だけど生きている

貧乏だけど毎日が楽しい貧乏だけど何かを探し求めている貧乏だけどいつも君が側にいてくれた。涙無くしては語れない一人のバカ体験記でR。

第一幕

涼子の腹筋に憧れて....。 date:970705

る雨が降り続く夕暮れ時、僕は何気無しに一冊の漫画週刊誌を、とある古びた建物の一室で読んでいた。別に暇であったわけではないが、仕事をする気にもなれず、ぼんやり昨日すれ違った女子高校生の残り香を思い起こすように、何かを探りながらただぼんやりインクのはげかかったページを眺めていた。

ばらくして後輩の井手(仮称)がバイトで疲れきった体を無理矢理ひきづるように部屋にやってきた。「何かおもろいことないっすかぁ?」−あったら俺がやっているよ、と思いながら「ないもんかねぇ」と答えてみる。本当に何もないから適当に今日の出来事を、まるで母親に一日の報告を強いられている子供のようにひたすら喋る。会話−笑い−沈黙というサイクルを一体何周したであろう、そんなとき、いきなり井手がニヤニヤしながら古いヤングジャンプをひろげて言った。

この中で誰が一番タイプっすかぁ?」この状況にしてこのタイミング、そしてこの素晴らしくニーズに応え得る話題。すぐにその素敵なアイデアは取り入られる。あれこれ冗談を言いながらも以外と本気でピンナップの女子高生を見つめてしまう。ああなんてイカ臭い光景であろうか。しかしこんなことが時間を忘れてしまうほど楽しいのである。あぁ恥情。

、なんだかんだで(股間)熱き男の戦いは終わり、結局「人の好みはディファレンス」という結論で幕を閉じた。お互いの善戦を称え合い、後からやってくるであろう"後輩"という次なる獲物を待ち構えていた。

なかなか来ない。かと言って今からせんだみつおゲームをやる元気もない。そろそろ帰ろうかなと思い、カメラを見つめる女子高生に別れを告げてページをめくってみた。

−Oh,my God!? 何てこったいカルロス・リベラ。

るスクーターの広告に写っている黄色い水着の女の子のお腹は健康的で、輝いていて、そして逞しく仮面ライダーの様であった。

けたよ広末、ローソンにビデオを予約してくるよ。しかし戻ってきた俺はさっきまでの俺とは違うぜ。

とはさすがに言わなかったが、勢いといつもの悪いクセなために、工大腹筋友の会を設立したのであった。外はすでに日が暮れて、季節には早すぎる花火の音が辺りにこだましていた。

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