岡村靖幸岡村靖幸
[禁じられた生きがい]
(1995購入)
岡村ちゃんの歌を聴いているとき、歌っているとき、踊っているとき、僕は16の青き一青年に戻ることができる。ちょい脱皮する手前の16歳、ああなんてイカ臭い思い出だろう。ふにゅ。
当時は「だいすき」ヒットのあおりも有りで、我が2年9組は何故か「岡村ブーム」に沸いていた。その頃は丁度「イカ天」が岡山でも定着しつつあり(たしかそんときのイカ天キングは"たま"だったような気がする)もちろん軽音同好会も盛り上がりまくっていたときで、バンドマンな僕にとっては何とも楽しい毎日であった。とりあえず毎日晩飯前のオナニーは日課であった。「そうだろ?」
そんなめちゃイカ臭い青年「僕」には当時ある違う高校だけど好きな女の子がおりました。ギター初心者のくせにやたら上手く、ちょいショートな髪が揺れるのを思い出して違うことにふけていたものであります(嘘)。もちろん片思いーな僕は何とか彼女の気を引こうとあれこれ頑張りました。結果はBOMB。はれほれひらほれ〜。告白したわけではないが、雰囲気から伝わる「あか〜ん」という感じ。いっそのこと確かめたらいいのではあるが、イカ臭青年「僕」はそんな勇気もなく、勝手に撃沈したわけであります。
情けないんです。おそらく「好きなんだ」という気持ちは相手にはビンビンに伝わっているんだろうけど(どうなんだろう?)いざ!!となると「僕」が萎んじゃうんです。情けない。一生マスかいとけ。
こんなとき、僕は何回も岡村ちゃんを聴いた。妙に気分が高まって再度奮起したり、また泣いたりもした。便秘になったこともあった。言葉が「オーゲッ」しか言えなくなったこともちょっとあった。いろいろあって、靖幸なのであります。
そんな思い出いっぱいの岡村ちゃんの新作「禁じられた生きがい」である。何度か発売予告はあったけどその度に発売延期になって悔しい思いをしてまで買った新作である。はっきり言おう、「悪いわけないじゃん。」しかし、しかしである。ちょっとこの5年ぶりのアルバムの岡村ちゃんは違っていた。岡村ちゃんは怒っていた。岡村ちゃんは悩んでいた。岡村ちゃんは太っていた(関係ないじゃん)。ちょうどROジャパンで表紙にまでなっていたので買って読んだら「苦悩」していた。思わず2冊も買ってしまった。これは僕の手違い。ダメ男の会隊長の岡村ちゃんがこうであっていいんだろうか?思わず僕まで悩んでしまった。おまけに女子高生とブルセラが世の中で24番目に嫌いになってしまった。
しかも全9曲中3曲はシングルではるか前に出ていたものだし、インスト(本当は歌いたかったんだろう)が1曲ある。そして何とか新曲と言えるものに関してはいつもの岡村節が少々キツイ。あのするするっと空間をにょろにょろする言葉が何だかリズムに乗り切れてない感じがするのは僕だけなの?演奏事態も完全自前を実行したためなのか途中でスタジオを変えたからなのかはわからないけど、少々キラキラに欠けているように思える。別に曲事態のレベルは以前のままなので構わないんだけど。
でも、やはり岡村ちゃんは「歌」であり「曲」であり「リズム」であり「パフォーマンス」なのである。このどれかひとつでも狂っちまったら岡村ちゃん効力は半減してしまうのである。
というわけで、最初は戸惑ってしまったわけですが、アルバムとして何回も聴けるし気持ちいいし、なんと言っても「感動」で胸いっぱいなんであります。我々「岡村族」にとっては何よりも岡村ちゃんが我々の前に姿を見せるだけで感動するわけですから。昨年末の大阪でのライブ見たけど、ちょっと(ちょっとだけ)太っただけじゃん。踊りも最高だったし、思わず暴れてしまいました。
だけどねえ、次のシングル発売予定が「1999年1月」っていうのはねえだろ。頑張ってね。
EXIT