PAUL WELLERPAUL
WELLER
[HEAVY SOUL]
オアシスの3rdアルバム「BE HERE NOW」についていけない。異常事態。あんなに楽しみにしていたのにこんなに体が拒絶反応を示すとは自分でも面喰らっている。ビートルズまでも放棄しなくちゃならないのかなあ僕。いやだいやだいやだ、そんなの絶対いやだよお。でもっておそるおそる赤・青聴いてみる。な〜んにも拒絶反応はない。いったいなんだこりぇ、おう?
いや待てよ、オアシスはビートルズではねえじゃねえか。ましてやオアシスはビートルズを超えたとまで言われておる。そうか、違うのか、良かった。めでたしめでたし。ぱちぱち。
前作「STANLEY ROAD」を凌ぐ快作とも言われる4thアルバム「HEAVY
SOUL」は僕にはたまらないものであった。ちなみに僕は今作を推す派である。最高であった。
今のUK音楽シーンにおいて究極のメロディーを書かせたらオアシス・ノエル兄に勝てる者はいないであろう。それは全員が認めていることであると思うし、ようはやったもん勝ちな世界で、先にやって売れたオアシスが偉いのである。しかしそれを百も承知で挑むのがこのポール・ウエラーである。「おいおい、そんなことやっても仕方ないぜい、おっつあんよお」、多分聞いてないんだろう。
スタカンを止め路頭に迷った挙げ句、見事復活した1stアルバム「PAUL
WELLER」は待ちに待っていた感が先行してしまいあんまり冷静に聴いてない。続く2ndアルバム「Wild
Wood」はヘビーで聴きごたえのあるこってりアルバムだった。この頃に来日していたら絶対見に行ってただろうな、きっと。まだ安全な時でもあった。
ポール・ウエラーがノエル兄に勝てるとしたら、それは熟年男の渋みと経験から来る余裕と緊張感であろう。そう僕は踏んでいた。だがしかしだがしかし、そうはましてやポール親父が許さなかった。「打つべし打つべし打つべし」である。何をやってんだかなあ、「STANLEY
ROAD」で続けりゃよかったのにい。でも僕はこんなポール親父が大好きである。こうでないとダメなんです。
結局のところ今作は前作の延長線上にあると言って過言ではない。そしてまた熟年男の渋みと経験から来る余裕と緊張感はビンビンである。「STANLEY
ROAD」で完成されたと思っていたメロディーの深さは更に深くなっているし、ヤングにも伝わる魂も存在している。8曲目「Friday
Street」なんて涙もろい僕は泣いてしまうんです。
オアシスは確かにビートルズだけど、今作には期待以上のものがなかったと僕は感じる。一時期はオアシス牧場にいっちゃったけど、やっぱりポール畑のほうが僕には居心地がよいようだ。しかし3年前もそうだったが何故金がないときに来日する!!
EXIT