8月24日(木)


 もう何年にもなるが、僕の歯はボロボロだ。小さい頃から虫歯は多かったんだけど、大きくなって、こんなに苦労するとは思わなかった。

 小さいとき(まだ乳歯の頃だからたぶん幼稚園の頃だと思う)、よく遠くの歯医者まで通った記憶がある。これは後で聞いた話だけど、親は若いうちに歯並びを矯正するために”名医”と言われるその歯医者に連れていっていたらしい。まぁこの歳になって歯並びを矯正しようとは思わないけど、そのときの治療が良かったのか悪かったのかはよーわからん。結論として虫歯になりやすい歯であることは言うまでもないって感じ。

 で永久歯がはえ揃ってからは、虫歯言っても「C1」とかヒドくても「C2」ぐらいだった。だから学校で検診があって「歯医者行ってきなさい」と言われたら歯医者に行くぐらいだった。2年に1回ぐらい虫歯がどこかに見つかるんだけど、そのときに集中して通うから、まぁ問題ないと思っていた。

 大学のため大阪に来てからも、歯が痛いということもなく、何も支障のない毎日を暮らしていた。歯並びが悪いということは周知の事実であり、そんなことは気にすることもなく、普通に暮らし、彼女もでき、たまに安いところに引越しをしながら大学生活を送っていたという感じである。

 それがある日、2回目の引越しが終わって3家目の我が城を持ったぐらいの頃、実家から送られてきた”冷凍ハンバーグ”を解凍して食べていたとき右上の歯に激痛が走った。昔精米したての米をもらってきて、たまに石が入っているときがあったが、そのときと同じような”ガツッ”という歯ごたえがあったんだけど、まぁ同じように何か石でも入っていたかいなという感じで次の一口を食べようと思っていた次の瞬間「激痛」が脳天をつらぬいた。

 その”ガツッ”は僕の歯だった。歯が欠けたのである。その後は激痛が走りっぱなしで油汗はデルデル、顔は青ざめる、もう身動きができない状態。まぁ一晩寝ればなんとか収まるだろうと思っていたが全然痛みはひかないどころか、ますます加速していくばかり。一睡もできずこりゃたまらんと結局次の日彼女にお金を借りて歯医者に飛び込んだ。

 そこではじめて知らされた事実は「4本ほどヒドイ虫歯」ということだった。激痛の歯は緊急治療で痛みは止まったが、まだ次なる刺客が3本もあるということなのだ。もうこの際歯医者通いを続けて全部治してもらおうということになった。結局3回ほど通院して痛みが収まった頃行かなくなったんだけど。

 まぁそれからは別に痛みもないし、たまに冷たいもので奥歯がシミルぐらい。でも別段睡眠に影響があるわけでもないし、ほったらかしの状態が3年ほど続く。

 これがまずかった。大学を卒業して今の会社に入社して半年ほどたった頃、今度は奥歯に激痛が走り出した。それがしばらくすると痛みが収まる系だったので、なんとかゴマカシゴマカシで過ごせた。すると今度は反対の奥歯も痛み始めた。次は上の奥歯、次はその隣の歯と、ものすごい勢いで連鎖反応が出てきた。さすがにここまで痛み出すと寝れなくなってきた。1本の歯が収まっても、次の歯へと痛みが移動するので、結局ずっとどこかが痛い状態なのだ。

 これまたたまらんと今度は紹介してもらった京都の歯医者に行くことになった。今までに出会ったことのないタイプの先生でしかも競馬好きときたら、すごく気楽に通院できた。で、この先生が言うには「こんなにヒドイ状態見たことがない」そうだ。何年も見ているがここまでヒドイ状態でほったらかしの歯は見たことがないそうである。こんな状態だったら痛くて寝れるはずがないそうだ。

 で先生に一通り見てもらって診断結果を聞く。まず上は全部虫歯。で下は前歯とその横をのぞいて全部虫歯。ようするに4本ぐらいしかマシな歯はないんだって。

 前よりはヒドクなってるかなぁと思ってたけど、まさか、ねぇ、ってもんで、その日から週1・2回の京都歯医者旅行が始まりました。

 とにかく痛い歯から治してもらうことに。とは言っても痛いところは1つじゃないので、あちもホイ、こっちもホイサ、という感じで治療していく。この先生は麻酔はまず使わないし、よっぽどのことが無い限り、ドリルも使わない。いわゆる薬で徐徐に治療をしていく方法なので、歯医者に対する恐怖感は皆無。ただどうしても完治までには時間がかかってしまうので、ずっと通わなければならないのが難点。また大阪〜京都間往復の治療時間含めて約3時間半と、春先はいいけど夏・冬はキビシイ条件。と言うことは1回何かでサボってしまうと、きっかけを失ってしばらくは行かなくなってしまって、また痛みが出てきたら通うというイタチごっこを繰り返しばかりで、通い始めて3年ぐらいで結局3本ぐらいしか治らなかった。

 とまぁすごーーーく長い前振りだったのだが、新規開拓した会社近くの歯医者で、盆前に”親不知”を抜きました。麻酔を2本?ほど打ち込んで(これが痛い)、10分ほどでガゴ、ギゴッスポッ、という感じで抜けました。案の定、血ダラダラでその晩次の日はしんどかったですが、噂に聞いてるほど痛くはなかったです。で5日前に2本目の親不知を抜いて、あと1本抜かなければなりません。

 その歯医者さんにも言われましたが、はっきり言って全滅に近い状態らしいです。前歯はまだマシなのですが、麻酔を打って神経治療からしないといけないのが7、8本ほどあるらしいです。まぁ週2日ペースで早くて半年で治るらしいので、頑張って通おうと心に誓う、今日この頃なのであります。

 ちなみに今日も行って来ました。麻酔も1本打たれました。残った親不知は虫歯で、ボロボロなのですが、どうせ抜くのでほっとかれました。これがまた痛いんだよなぁ。とほほ。


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