11月8日(土)

 BGM:IT AIN'T OVER 'TIL IT'S OVER/LENNY KRAVITZ


となくけだるい気分で電車を降りて、時間もまだ早いので飲んで帰ることにした。そこは以前に何回か先輩に連れてきてもらったこともあり、ここのところは一人で通うようになったお初天神近くの飲み屋である。

末ということもあり、まだこんなに早い時間なのに結構人がいた。いつもにまして外人さんが多かったのも僕にとっては好都合だった。女は好きだが、ここ1年の間口説いたり連れ込もうとしたりなんかしてない。それだけにナイスガイな外人兄ちゃんがジャパニーズガールを口説いたりしてるのを見ている方が、今の僕にとってはおもしろかったし、気休めにもなる。しかしこの「ひとりが楽なんすは〜」症候群には自分でも危惧することがある。そろそろ何とかせんと、一生こうなっちゃうかもしれん。何とかしよう。

れはさておき、ちょいと高めのビールを飲みながら、僕は席に座らず階段にもたれかかって、ナイスガイの奮闘ぶりを眺めていた。するとある若いナイスガイが僕の方へやってきて、英語で喋りかかってきた。そんなに早口で言われても僕は理解すらできない。「ラブアンドピース」が精一杯だよ。そいつは「トム」とか言っていた。でも本名は「ロバーツ(?)なんちゃら(あんまりうまく聞き取れてないので違うかもしれんが)」とかいうらしい。なんでトムなんだろう?世界の7不思議の1つだね。

なんでか知らないうちにビートルズから話があってきて(あわせてくれたのかな?)ニルバーナになり(あんまりよく知らないので適当に流すモード)パールジャムで落ち着いた。話をすると言ってもこっちは単語単語でしか喋れないから、実際話が噛み合っていたのかどうかはよくわからない。通訳に山下えりかでもいたらよかったんだろうけど。

余談だが、「ロッキンオン」とかでインタビューしている記事を読むけど、あれってどんな状況でやってるんでしょうね?結局第3者を介して話しているのに、よくあんなテンポで出来るもんだなあと感心してしまいます。

ついでにビールを奢ってもらい適当にBGMについてあれこれゼスチャー会話しながら、時間がいくらか経ったとき、そいつが便所に行きたいというゼスチャーをした。でも何かおかしい。何で僕も行かにゃならんのだ。あんまりにもグイグイ引っ張るので仕方なくついていくことに。どうせ僕も何だかトイレに行きたかったので、そんときは全然気にしてはなかった。

このトイレはひとりしか入れない。扉は鍵がかけれるようになっているごく普通のトイレだ。以前、鍵がかかってなかったので、ひょいと扉を空けたら拳が飛んできたこともあった。また仁王立ちの素っ裸外人にも出くわした。ひとこと言いたい。「困るんだったら鍵しなさい。」僕は君のママか。全く。

イレの前まで来て、出てくるのを待とうとしたら、いきなりそいつは僕も入れというゼスチャー。は?いやいや次に入るからいい、というゼスチャーをしたけど、余計に中に入れようとする。さすがに外人、すごい力で服を引っ張るので、ジャンパーが破けそうになった。「これってやばいんちゃうん。」と気付いたときには中に入っていた。そいつは思いっきり牛乳瓶をさらけだしていたからもう大変。「デカイ。」さすがに感心してしまったけど、そんな悠長なことを考えてる場合ではない。これは一大事なのだ。逃げよう。死ぬ。鍵をかけてなかったのが良かった。バンと扉を突いて、一目散に店を出た。

いもさっぱり覚めてしまい、何だか腹も立ってきた。頭の中では「牛乳瓶」がまわっている。キッツ〜。最後に、地下鉄で出て来たのにバスで帰ってしまうというお約束にもダルイことをしてしまった。いったいなんて言う日だ。まったく。結局その後も飲んだけど。

教訓:肉を食わんとデカならんわ。


EXIT